新進弁護士の波多野丈二は、亡き妻の命日に、妹までもが連続猟奇殺人事件の犠牲者となったことを知る。これまでの被害者と同じように、妹の遺体にも犯人による異様な痕跡が残されていた。最愛の妻と妹を相次いで失った波多野は、事件を偶然の連続として片づけることができず、自ら事件を調べ始める。
やがて波多野は、妻と妹、そしてこれまでの被害女性たちの間に、ある共通点が存在することに気づく。しかし、彼が事件のつながりを追い始めた矢先にも、犯人は新たな犯行を重ねていく。手がかりを求めて関係者を訪ねる波多野の前に、事件の背後にある複雑な人間関係が少しずつ浮かび上がってくる。
連続猟奇殺人という異様な事件を軸に、愛情と憎しみ、執着と狂気が交錯する人間心理を描いたミステリー。単なる犯人探しにとどまらず、事件に巻き込まれた人々の感情や過去を丁寧に描きながら、次々と新たな疑惑を提示していく。読者を不安と緊張感の中へ引き込む、笹沢左保の長編ミステリー。
