姉・由記子が心中をほのめかす遺書を残して、突然姿を消した。やがて、心中相手とされる男の遺体が発見され、由記子には殺人の疑いまでかけられる。姉は本当に男を殺したのか。それとも、失踪の裏には別の事情が隠されているのか。
妹の佐紀子は、姉の行方と事件の真相を明らかにするため、恋人とともに捜索を始める。しかし、手がかりを追うにつれて、二人の前には新たな事件や、関係者たちの複雑な思惑が浮かび上がってくる。姉の失踪を起点に、次第に深まっていく疑惑。その背後には、表面からは見えない人間関係と、予期せぬ真実が潜んでいた。
姉を信じたいという思いと、事件の真相を突き止めようとする探求心。愛憎と疑惑が交錯する中、佐紀子たちは幾重にも張り巡らされた謎に迫っていく。失踪した姉の行方と、男の死に隠された真実とは何なのか。読者を先の見えない展開へと引き込む、笹沢左保初期の長編推理小説。
