
笹沢左保の長篇ミステリ『殺意の雨宿り』が、祥伝社・祥伝社文庫から2019年10月11日に発売されました。
一人旅で岩手県遠野市を訪れた奈良井律子は、突然の豪雨に見舞われ、雨を避けるため山中の小屋へ駆け込みます。そこで出会ったのは、同じように雨宿りをしていた三人の女性でした。見知らぬ者同士だった四人ですが、雨が上がった後も行動をともにすることになります。
ところが、旅の途中で四人は、胸を刺され瀕死の状態になっている男を発見します。しかし、事件に巻き込まれることを恐れた四人は、男を助けることなく、その場を立ち去ってしまいます。誰にも知られたくない共通の秘密と罪を抱えることになった四人は、それぞれが胸の内に秘めていた「殺したい人間」の存在を告白し始めます。
やがて、そのうちの一人が、互いに殺したい相手を交換して殺す「交換殺人」を提案します。四人がそれぞれ抱えていた憎しみを利用し、互いの手を汚さずに目的を果たそうとする計画。しかし、ひとたび動き始めた殺意は、彼女たちの思惑どおりには進みません。
雨宿りという偶然の出会いから始まった四人の関係は、共通の罪、秘密、そして殺意によって次第に結びつきを深めていきます。誰が誰を殺そうとしているのか、そして最初に遭遇した男の事件にはどのような意味があったのか。四人の女性の心理と複雑に絡み合う事件が、予想もしない結末へと導かれていきます。
「四人の女の交換殺人」を軸に、人間の心に潜む憎悪と殺意を描いた長篇ミステリ。偶然の出会いから始まった出来事が、やがて恐ろしい連鎖へと変わっていく展開と、最後まで真相を見通せない巧みな構成が魅力の一作です。
『殺意の雨宿り』
著者:笹沢左保
出版社:祥伝社
レーベル:祥伝社文庫
発売日:2019年10月11日
ISBN:978-4-396-34569-3
価格:770円(税込)
サイズ:文庫
