
笹沢左保の長篇サスペンス『遅すぎた雨の火曜日』が、徳間書店・徳間文庫から2020年5月12日に発売されました。
雨の降る火曜日、23歳の花村理絵は、二年間続いていた上司との関係に終止符を打ち、会社に辞表を提出します。さらに、長年住み慣れた家も出て、これまでの人生をすべて捨てるようにして、ある計画を実行に移します。それは、過去に受けた苦しみを晴らすため、亡くなった養父母の復讐を果たすことでした。
理絵が復讐の相手として選んだのは、小田桐病院の院長の長男・哲也。かつて養父が病気になった際、小田桐病院の院長に治療を拒まれたことで、養父は無念の死を遂げていました。その出来事を恨み続けた養母もまた、思いを抱えたまま亡くなります。理絵はその復讐のため、21歳の哲也を誘拐し、院長に身代金を要求します。
しかし、理絵の計画は、誘拐した相手の思いがけない反応によって、次第に予想外の方向へと動き始めます。23歳の女性が21歳の男性を誘拐すること自体に無理はないのか。そして、復讐のために周到に準備したはずの計画に、思いもよらない人間関係と感情が入り込み、理絵自身の運命を大きく変えていきます。
犯人である理絵の視点から復讐計画の全貌を描きながら、誘拐をきっかけに明らかになっていく過去と、人間の愛憎を追いかける物語。復讐する側とされる側の立場が次第に揺らぎ、単純な善悪では割り切れない人間ドラマへと展開していく、笹沢左保ならではのサスペンス作品です。
『遅すぎた雨の火曜日』
著者:笹沢左保
出版社:徳間書店
レーベル:徳間文庫
発売日:2020年5月12日
ISBN:978-4-19-894560-2
価格:880円(税込)
サイズ:文庫
